イスア国民文化祭2012 杜舞台 拝宮/紅葉川
柴田悠基
大地の空

2012 09.22,23

神社の境内にひっそりとたたずむ農村舞台。多くの舞台が点在するこの地域は自然に神々を大切にしてきた。
舞台には荘厳さ、凛々しさ、侘しさ、いろいろな表情がある。収穫を感謝し人形浄瑠璃を奉納する人々の楽しげな声、一転、日常を見守る静かで穏やかな時の流れを感し取れるからだろう。
長い時間のなかで、さも当たり前に杜にたたずむ舞台を前に打つ手なしと天を仰いだとき、そこに広がる青い空が印象的だった。神社、そして舞台を前にした私は、ただそのままを伝えることがよいと感じた。
黒く鏡面に光るこの作品は、ありのままの空を平面に映り込ませる。手の届かない空を舞台前の庭に引っ張りこみ、自然に囲まれ、生かされる自分をより濃密に感じ取れる空間を伝えることができたら幸いである。

柴田悠基|Yuhki Shibata

1980年広島県出身。東京藝術大学美術学部先端芸術表現 科助教。現象を分析、それをささやかながら制御できる技術に裏付けされた情熱の可視化に日本人は美しさを感じるという仮説を前提に現代的な手法を用いて諸々の問題に取り組んでいる。近年は、人工漆を使用し、鏡のように磨き上げる平面作品を制作。